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 西岡武夫の国会活動

参議院文部科学委員会議事録

平成131120


○西岡武夫君 前回に引き続きまして、国立大学の独立行政法人化の問題につきまして文部大臣にお尋ねをいたします。
 このことにつきましては、委員長の方で理事会でお取り計らいをいただいておりまして、集中的に審議をしていただく時間もいずれとっていただけるということでございますから、改めてそこでも細部にわたってお話を申し上げたいと思いますが、既に、これは大学ではありませんけれども、文部科学省がそれぞれの機関、博物館とか美術館とか、そうした文部省のこれまでの国立の組織を独立行政法人化しているわけですけれども、そこにおける予算というものはどういう形になっているのか。全く完全に予算的にこれを独立行政法人の責任で行うという形にしているのか、あるいは国からも、文部科学省の方からも予算がそこに出されているのか、その点についてお尋ねをいたします。
○国務大臣(遠山敦子君) 独立行政法人の話は別に文部科学省だけではなくて、国家の機関についてそういう大きな組織形態の移行があったわけでございますが、私もたまたま西洋美術館長を一年やりまして、その後にことしの4月1日から独立行政法人の国立美術館になりまして、その折の経験を踏まえて申し上げますけれども、予算につきましては、これは中期目標とかそれから中期計画というものが立てられまして、独立行政法人の仕事につきまして、それの絡みで必要な事業については国からの交付金が出ます。交付金によって、特に国立の美術館ないし博物館のようなもの、その他のものもこれは独立行政法人ということでございますけれども、この交付金を主たる収入源としてやるわけでございます。
 もちろん、それぞれの自己の努力によってこれまでとは違ったいろんな角度、寄附金を集めてみたりあるいは事業をやってみたりということもございますけれども、中核はその交付金によって運営するという仕組みになってございます。
○西岡武夫君 私が、国立大学を独立行政法人、これはほかの機関とは全く違うわけでございますけれども、今の博物館や美術館とか国立劇場等々もその果たしている役割から申しますと、例えばヨーロッパなどで、これはもう大臣も御経験になった文部科学大臣の方が実際に世界全体のことを十分把握しておられると思いますけれども、国立の博物館や美術館はもっと無料で国民に開放していくというような方向の方が正しいのではないか私は思っています。そういうことからしましても、ちょっと容易に独立行政法人化したということについては私自身は基本的な疑問を持っておりますが、これはまた別の機会にお話をしたいと思います。
 そこで、今回まだいろいろ中身を詰めておられる議論の最中であるということで大臣から確定的なお答えをいただくわけにはいかないのではないかと思いますけれども、しかし、少なくとも私は大臣がこう言われたからどうだこうだということを申し上げるつもりは全くないわけでございまして、少なくとも今の国立大学は、私の知る限りでは、全国の県に原則として一つの総合的な国立大学は存在をして、その運営については地域の代表の方々に評議員として参加してもらって、そしてこれが運営されると。したがって、地域の声も十分反映して国立大学が運営されるという形で本来はスタートをした。
 しかし、当分の間、教授、教官をもってこれに充てるという形で評議会が運営をされて国立大学の運営が行われ、大学紛争やその他いろいろな問題がありまして、大変な苦労を当時文部省はされたわけでございますけれども、そういう運営に関する民間の地域の声を反映させるという仕組みはもともと国立大学をつくったときの、敗戦後つくったときの趣旨からはきちっとその中に組み込まれていて、それを実行すればいいという点が一点。
 もう一つ、国立大学の教官の身分の問題でございますけれども、私がたまたま昭和45年から6年にかけまして、これは国立大学の教官の皆さん方の問題ではなかったのでございますけれども、義務教育を中心とした教諭の皆さん方の超過勤務についての問題を解決するときに、私立の小学校、中学校、高等学校の先生と超過勤務の問題をめぐって二種類の教師が存在するということに実はなったわけです。
 というのは、労働基準法に基づくところの超過勤務命令を出して超過勤務手当を支給するということに法的になっている私立と、超勤手当のかわりに4%の基本給を上乗せするという形でこれを適用しないという二種類の学校の先生が存在するということが法的に出てきたものでございますから、私も、当時そのことを進めた中で、大学の先生方のことも含めて教官にかかわる方々と研究にかかわる方々と、いわば第三の身分、教育研究職というような身分は考えられないんだろうかということを大分人事院との間でも私は議論をしたことがもう大分昔の話でございますけれどもございました。  
 しかし、残念ながら、民間の企業人でもない、公務員でもない、教育研究職という新しい柱を立てる、そして、そこにもちろん、当然、給与の体系もまた別の給与体系を確立する、その一つのステップとして私は人確法ということも提案をしたわけでございますけれども、そしてそれは実現をしましたけれども、だんだんまた公平機関としての人事院から人事院勧告ごとに差を縮められてまいりまして形骸化しているというのが実態のようでございますが、せっかく小泉総理、米百俵の話をしておられるわけでございますから、この機会にそういう点も、米百俵のうち何俵ぐらい今文部科学省に配分されているのかよくわかりませんけれども、ぜひこの機会にそうしたことについても十分、将来のことを考えれば、今こそ教育に力を入れていかなければいけない、基礎研究に力を入れていかなければいけないという意味で申し上げているわけでございます。ぜひ御検討、御努力をいただきたいと思います。
 今、私が申しました第三の身分ということについて、大臣はそういう考えも確かに聞いたこともあるし自分も一つの考えだとお考えかどうか、お尋ねをしたいと思います。
○国務大臣(遠山敦子君) 先生のおっしゃいました第三の身分という意味が必ずしも私は十分理解していないのかもしれませんけれども、教育研究の必要性という点では先生と全く同じ考えであることは確かでございます。
 身分につきましては、これは本当にどういう身分でやっていくかということは、全体の公務員制度でありますとかあるいは私学も含めた教育に携わる人たちのトータルの中でどういうふうに考えていくかということで、必ずしもそんなに結論の出やすいあるいは満点な方法というのはないのかもしれませんけれども、私は、現在の特に国立大学において国家公務員として位置づけられ、しかしながら教員、教官ということでさまざまな特典もあると、ただ給与の面では必ずしも十分でないというお話もございましたけれども、そういう教員の、特に国立大学につきまして教員の身分についても、今回どういうふうにやっていくかということについて全体の法人化への移行の中で考えられていく課題として今検討されつつございます。
 国立大学につきましては、一般の独立行政法人とは違った、その目的、趣旨からいって一国の将来を左右する大変大事な機能を持っておりますので、これまでの国家機関が独立行政法人化したような通則法そのものを当てはめるのではなくて、それの特殊性に応じた形でやっていくべしというようなことを基底にしながら今議論が進んでいるところでございます。
○西岡武夫君 私がこのことをあえて申し上げておりますのは、独立行政法人、他の省庁で考えられている独立行政法人とは全く違う形が当然検討されていることと思いますが、その趣旨の一つにいろんな人事的な交流というものも自由にできるということが議論の中で行われていると私聞き及んでおりますので、独立行政法人化することのメリットといいましょうか、それはそういうことではなくて、今私が申し上げたような、もっと積極的な教育と研究にかかわる皆さん方の身分については第三の身分というものを日本の国として本当に独自の形で確立をしていいのではないだろうかという意味で、今、大臣からの御答弁の裏返しといいましょうか逆の立場で私は申し上げているわけで、そういうことをすれば何も独立行政法人化するということの説明とか意味づけのために使われなくても済む問題ではないだろうかということを申し上げたかったのであえて大臣のお考えをお聞きしたわけでございまして、これも今後さらにこの問題につきまして集中的に御審議をいただくときに議論をさせていただきたいというふうに思っているわけでございます。
 私は、もうあと二分しかございませんから簡潔に締めくくりをいたしますけれども、確かに国立大学の場合には別だということはだれしもそうだろうなと思うところまでは思うんですけれども、いろいろな独立行政法人についての今の政府の取り組み方、考え方を見ておりますと、問題がややこしくなると何でもかんでも独立法人の方に持っていってしまうと済むみたいな、道路公団の問題まで含めて何か独立法人の話が出てきたりするくらいでございますから、そういうことと 国立大学の問題とを混合してもらっては困ると私は思うんです。
 その点につきましては、ぜひ文部科学省におかれては毅然たる態度で教育研究という問題についての重要性ということを踏まえて大いに御検討いただきたい。予算につきましても、米百俵ですから、ちゃんと百俵だけ予算の配分をとっていただくように、これはもう与野党を通じて多分同じお考えではないだろうかと推察いたしますので、こんなに文教委員会が非常に和気あいあいに一致するということはなかなか今までは、かつてはなかったことでございますので、そういう意味で、どうぞ大臣初めて文部科学省の皆さん方の御健闘を心からお願いを申し上げます。

以上です。