- 西岡武夫君 本日は、小柴先生、また梶原知事、天笠先生、そして中教育委員会の委員長には、御多忙のところを委員会にお越しをいただきまして、貴重な御意見をいただきましたことを、心から感謝を申し上げます。
特に、小柴先生から御指摘をいただきました幾つかの点、特に少子化における教育の在り方等につきましては、私自身も真剣に受け止めて、同僚の文教委員、与野党ともに文部科学省とこの問題については話し合っていかなきゃいけないということを痛感をしているところでございます。
実は今日、わずか十五分でございますので、持ち時間が少のうございますので、本来ならば私の教育についての考え方を申し述べて、それぞれ参考人の先生方の御意見を賜りたいところでございますけれども、十五分間で私が申し上げ、いろいろと御意見を賜ることは不可能に近うございますので、特に今回の義務教育費国庫負担につきまして、梶原知事が全国知事会の会長とし大変大きな役割を果たしておられますので、梶原知事に、知事会の、全国知事会の会長としてのお立場に対して質問をさせていただきたいと思います。
私の考えは先ほど天笠先生からお話がございましたお話に大体近いんでございますけれども、私は、むしろ義務教育費国庫負担につきましては、学校の先生は義務教育については全額国が給与については負担をするというのが適当であると。で、これは参考人の先生方に申し上げるということではなくて、私どもが議論をしなければいけない問題でございますけれども、そういう基本的な考え方を持っております。
それともう一つ、いろいろ、新聞等でいろんなことが論じられているわけでございますけれども、非常に誤解があるなと感じますのは、例えばこの問題が大きな問題になりましてから、文部科学省が先生の配置や一学級当たりの児童生徒の数などを細かく決めてきたと、もうこういったことは必要ないと、地方に任せるべきだというようなことを朝日新聞など、全国に大きな影響を与えます新聞で対談的に子供たちにこのことを説明するというような形でこういうことを述べておられますけれども、書いておられますけれども、実は、今日御出席の皆様方はもう十分承知のとおりに、文部科学省が決めておりますのは最低の基準であって、それ以上のことについては地方自治体が思うとおりやっていただいて結構だと。もちろん、財源等いろいろな問題がございますからそう簡単なことではございませんけれども、そういう趣旨で文部科学省の基本的な基準というものが定められているということについては改めて御理解をいただきたいと思っております。
そこで、お尋ねでございますけれども、地方自治が教育、義務教育について責任を持つべきであると、これは基本なんだと、いろいろと新聞等で知事がお話しになっておられますのを拝見しているんですけれども、大体そういう御趣旨で、地方に任せてくれればいいと、文部科学省がいろいろなことを、予算につきましてもその他いろんなことについてはいろいろ言わなくても地方に任せてくれという御趣旨のように受け止められる御発言が多々あるわけですけれども、そのように理解してよろしゅうございましょうか。
- 参考人(梶原拓様) 私は、国と地方が責任をシエアしていくべきだということでございまして、丸々自治体がこのすべてについて義務教育に責任を持たなきゃいけないというふうには考えておりません。
おっしゃるとおり、国がその最低水準というものを維持するために全力で頑張っていただきたいと。で、仮に一般財源化されたら、地方交付税について義務教に十分充てられるように措置をすべきであるということが一つ。それから、学級編制とかいろいろございますね、そういうのも、国として少なくともこれだけはという線は決めて、それが実現されるように国の方で御努力をいただきたいということでございます。
- 西岡武夫君 私がお尋ねしておりますのは、それぞれの地方自治体がそれぞれの責任で教育のことはいろいろやればいいということをこの新聞等のこの質疑応答の中では拝見をしているわけですけれども、そうであるならば、内閣から、六月でございましたか、この問題についての知事会の考え方をまとめてもらいたいという要請が、これは文章であったのか口頭であったのか知りませんけれども、あったというふうに承っております。ところが、これまでの私の記憶では、知事会が多数決で、全国知事会議の意見を多数決で決定して政府に意見として、知事会の意見として具申したという例はほかにございますか。
- 参考人(梶原拓様) まあいろいろ知事会の内部、意思決定をしておりますけれども、それを今回の三位一体改革のような形で政府に提出したということはございませんが、いずれにしても、多数決というお話がございましたけれども、このことをもう随分全国知事会の中でも議論をいたしました。で、多数決という結果になりましたけれども、十分議論を尽くすということが前提だということで、御承知のとおり、この義務教育問題についても、夜十二時まで議論をし、かつ翌日午前中掛けて更に議論をしたと。そして、異論がある場合はそれを付記すると、それから討論、議論の経過も公表すると、そういう前提で我々は改革案をまとめたいうことでございました。機械的、形式的に数で抑え込んだということではございませんし、そのことにはもう知事会内部の知事さん方から強い要請がございまして、そういうような処理はしなかったという経緯でございます。
- 西岡武夫君 いや、私がお尋ねしておりますのは、これまでに多数決で知事会の意思を決定して、全国知事会として政府に対して意見を具申したという前例があるかということをお尋ねしているんです。
- 参考人(梶原拓様) いろいろな要望なんか出しております。そういう中で、その要望書なんかに異論があってという事例は今までもございますが、正式に多数決という議決を経てやったかどうか、はっきりした記録について私は確かめてございませんが、全部全員一致で全国知事会が必ずしも常に政府に対して要望書を出しているというわけではございません。
- 西岡武夫君 全国知事会として三分の二の賛成がなければ、たしか内規で、私はちょっとこう読んでみたんですけれども、内規ではなかなか見付からなかったんですけれども、そういうような内規があって今回の意思決定がなされたいうふうに聞き及んでいるわけでございますけれども。
そういう多数決でやられる、しかもこの義務教育費国庫負担という、正に私の意見から申しますと、国家観にもつながるような非常に大事な義務教育費国庫負担という考え方を、あえて多数決で決定して内閣に意見を具申しなければならなかったという必然性というものを私は知事会としてどこに持っておられたのか、私は非常に疑問に思っております。
そして、知事がおっしゃっているように、地方自治が中心なんだと、これはいろいろ書いておられるやつを引用しているんですけれども、地方自治体に任せておけばいいんだと、国よりうまくやるよということもおっしゃっているわけです。ところが、反対した知事が、まあ十三の県が反対したともいうふうに聞いておりますけれども、ここでは十県の、この知事から提出されました資料によりますと十県の知事が反対したというふうになっておりますけれども、地方自治というのは全国知事会じゃないでしょう、都道府県ですから。それをなぜ知事会であえてまとめなければいけなかったのか。これは不可思議なんです。
それと、もう時間があと二分しかございませんので、もう一つ最後に御質問したいんですけれども、知事が教育委員って要らないとおっしゃっているわけですけれども、これはどういう意味なんでしょうか。私も教育委員会の在り方については考えていかなきゃいけないという、多くの問題を含んでいるというふうに私も思っております。しかし、ある新聞の対談では教育委員会なんていうものは要らないと、いずれこれはなくしていいと、廃止もというようなこともおっしゃっているわけですけれども、そこの二点についてお尋ねをいたします。
- 参考人(梶原拓様) 全国知事会としてというよりも、さらに地方六団体として政府の方から意見を求められたわけですから、こういう意見もあります、こういう意見もあります、ばらばら出しておったんじゃ約に立ちません。したがって、全国知事会としての意見の大勢というものをまとめたわけでございまして、それで各県知事さんからも御要請がありまして、そのいろいろ異論があったという経過も添え、かつ反対の少数意見も添えて政府に出してあるんで、政府はそういうことも勘案しながら御判断されればいいんじゃないかというふうに思います。こちらの問題ではないと。
それから、教育委員会の問題は、先ほど河合先生でしたかお話しございましたが、なぜ国家公安委員会とかそのように教育委員会というものが国のレベルでないかということなんですね。これは行政の公平性を保つということよりも、歴史的に見ますと国家教育というものを末端まで貫徹させるための組織であったということなんです。教育の公平性とかそういうものを担保するんであれば、国のレベルに教育委員会がなきゃいけないんです。その国家教育を貫徹させるという趣旨ですね、この意義はもう随分薄れてまいりました。
私は、今地元で申し上げているのは、教員の人事ですね、これは絶対に客観的な公平性を保たなきゃいけないと。だから、教育委員会というものは必要だと申し上げております。ただ、それがいつまでもそのためだけに教育委員会というものが必要かどうか、それはまあ私は疑問だと思っております。
今、先ほどお話出ましたように、教育委員会というものがどういうものだということは、戦後教育から随分もう年数も経過したわけですから、抜本的に国においても検討されるべきだと。教育の公平性を確保したいということであれば、国家公務員会のように国のレベルで教育委員会というものを設けるべきだと私は思います。○西岡武夫君 委員長、最後に一点言ってもいいですか、あと、時間参りましたけれども。
- 委員長(亀井郁夫君) はい。
- 西岡武夫君 お許しをいただきまして、最後にもう一言申し述べさしていただきます。
知事が六団体というふうに持ち出されたんですけれども、私は全国知事会議ということで申し上げているわけで、全国知事会議の意見というものが、この義務教育国庫負担につきましてまず中学校からというのも不思議な話なんで、つじつまが合わない話だなというふうに思っておりますけれども、知事の責任、全国知事会議の、知事会の会長としての責任というのは非常に重いと思うんです、この問題に関して。
と申しますのは、いろいろ反対意見があったというのは意見を付記するというふうにおっしゃっておりますけれども、それを見るか見ないかは政府の勝手だというふうなお話ですけれども、やはり全国知事会の意見としては、義務教育費国庫負担については、これはまず中学校から手を付けて、すべて地方の方に移譲するんだという考え方が全国の知事の意思だというふうな受け止め方をされて、それが独り歩きするわけですから、その責任の重さということについては全国知事会の会長として梶原知事の責任というのをもう少し御自覚をいただきたいと申し上げて、私の質問を終わります。