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オレンジ通信 8月号

                          第66号(通算528号)

崩壊!!「政党政治」(その三)
いま議会政治に何が起こっているのか

    (十六)、急転直下、衆議院解散に至る経緯

 今回で、連載三回になる、この、「崩壊!!政党政治」と題する一文は、八月八日の衆議院解散によって、一挙に結論に近づくことになりました。

 事の起りは、去る平成十七年四月二十八日の、小泉純一郎総理による強引な政局運営でした。

 小泉純一郎自民党総裁は、「郵政民営化法」を成立させることを、政権の至上命令として、現在の自民党三役を選任したことは、当初から周知の事実でした。
 従って、現自民党三役は、小泉純一郎首相の意に逆らうことを就任当初から放棄していたことは明らかでした。
 このことから推測して、今回の衆議院解散は、「郵政民営化法案」の国会提出に至る自民党内の手続きの時点で、その種が蒔かれていたことになります。

  (十七)、内閣提出の法律案の取扱い

 ここで、今更、議院内閣制や政党政治の基本と原則を述べる必要はないでしょう。
 当然のこととして、自民党は、与党として、政府が国会に提出する法案に責任を持っています。
従って、閣法と呼ばれる内閣提出の法案は、国会に提出されるまでの手続にルールが存在します。
 政府から与党に提案された法律案の原案は、まず、政策審議会の下に組織されている専門の「部会」と「調査会」で論議されます。
 そこでは、事柄によって、法案の必要性から始り、緻密な議論が行われ、法律の条文ごとに加筆されたり、削除されたりします。
 その上で、「部会」と「調査会」の合同会議で了承されて、政策審議会に諮られます。
 当然ここに至るまでに、「部会」の了承を得られないまま、国会に提出されない法案も多々あります。
その場合は、次の国会でまた仕切り直し、となる法案もあります。
 政策審議会の会長が、自民党の場合、「政調会長」であり、党三役の一人、ということです。
政策審議会は、ほぼ、各「部会」の責任者である「部会長」経験者で構成されています。政策審議会で、法律案を説明し、疑問に答え、了承までこぎ着ける責任者は、その担当の部会長です。これは、「総務会」においても同様で、当然、議員立法の時も同じです。
 政策審議会の了承を得た法案は、そこで初めて「総務会」で審議されることになります。
 今回の郵政民営化法案のような政治的にも重要な案件は、「総務会」に掛ける前に、党三役が相談をして、会議に臨むことになります。

  (十八)、造反者を出すことを承知の党議決定

 以上のように解説した自民党内の手続を、全て無視して、どこの時点でも同意を得ないまま「総務会」の議題にしたのが、今回の郵政民営化法案でした。
 ここで、小泉純一郎総裁の言いなりになることを条件に異例の人選によって就任した自民党三役は、小泉純一郎総理総裁の命ずるまま、政党政治を崩壊させる行動に出たのでした。
 マスコミの報道は、自民党総務会の決定が、異例の多数決で行われたことを、ことさらに強調していました。
しかし、多数決で決定することは、会議の運営としては至極通常のことで、規約にも定められていることです。

 問題は、その多数決の中身にあったのです。
 要約すれば、「自民党総務会は、法案そのものは了承しないが、政府が、郵政民営化法案を国会に提出すること」を多数決で決定したのでした。
 正に、前代未聞のことを小泉自民党はやったのです。その後で、法案本体が政党政治としては、幽霊のような法案の修正案を国会に提出してきたのですから、混乱を深めたのは当然でした。

「造反有理」という言葉が、一時期流行りましたが、郵政民営化法案に関する限り、小泉政治に対する造反は、
「造反する方に道理がある」ことは、間違いありません。

 

  (十九)、小泉純一郎氏の狙いは?!

 郵政民営化を小泉純一郎氏が最大の政治目標として掲げ、取組んできたことは、その意図や背景がどうであれ、事実です。
 しかし、その目標は、総理の座に着いてからは、徐々に変化して来たようにみえるのです。

 小泉氏は、総選挙を目前にして、「郵政民営化が出来なくて、なんで他の改革が出来ますか」と叫んでいます。しかし、その真の狙いは、郵政を小道具にした別の処にあるように思うのです。
 今回の解散総選挙と自民党公認に関わる騒動は、自ら演出した総選挙後の政局をにらんでの、ある種の魂胆が明白に読取れるようです。

 この小文は、総選挙に突入する前夜のことでもあり、これから先については、控えておきたい、と、考えます。
 意外な展開が、待っている筈です。
                 (平成17年8月29日記)